1. | ニュージーランドだけに育成する潅木、マヌカは、マオリの人たち(ニュージーランドの原住民、西暦1200年のはじめ、ポリネシア地方から漂着。それ以前には、まったく人類が居住したこともなければ、島の存在も知られていなかった)が、切り傷、擦り傷、突いた傷、さらには筋肉痛や関節痛などへの薬として古くから大切にしてきた植物。
(出展文献:Riley, M. Maori Healing and Herbal. P. Viking Press, Wellington. P.278,1994) |
2. | ニュージーランドをイギリス領として宣言したイギリスの探検家クック船長たちが、マヌカの葉を薬効の高い「お茶」として使ったことから、マヌカは「ティートリー(お茶の木)」と呼ばれ親しまれてきました。ただし、同じく薬効ある植物として知られているオーストラリア・ティートリーは、メラルカ科アルターニフォリア(Melaluca alternifolia)と分類されており、ニュージーランドのティートリー(マヌカ)とは、はっきり区別して考えなければなりません。この二つの「ティートリー」は名前だけ同じで、全く違うもの、薬効の強さも異なっています。 |
3. | マヌカ・オイルは、バクテリアなど、たくさんの細菌類にたいして強力な抗性をもつことが明らかにされています。その細菌類への抗性を医学的な立場から比較検討すると、マヌカ・オイルは、オーストラリア・ティートリー・オイルより、これらの菌に対して33倍も強力な抗性をもつことが明らかにされており、さらに、マヌカ・オイルは、MRSA菌にたいしても十分な抗菌性をもつ事が判明しています。
(出展文献:Harkenthal, M. et al,. Comparative Study on the in vitro antibacterial activity of Austrailian tea tree oil, cajuput oil niaouli oil, manuka oil, kanuka oil and eucalyputs oil. Pharmazie 54 460-463, 1999) |
4. | マヌカ・オイルには、主な生化学的活性物質(抗菌殺菌作用を行う物質)として、シネオール(抗菌/麻酔作用)、ピネン(抗菌殺菌作用)、リナロール(鎮静作用)などを含んでいることが明らかにさされています。イーストケープ産のマヌカ・オイルは、特徴的なトリケトン類が非常に多く存在しており、その中でも重要な物質レプトスパーモン(Leptospermone)を含むことがわかりました。
(出展文献:Perry, N. et al,. Essential Oils from New Zealand manuka and kanuka. Phyytochem. 44 1485-94, 1997) マヌカ・オイルの抗バクテリア性はトリケトンが主体となって作用することも実験的に明らかにされています。(出展文献:Porter, N. Willkins, A. Chenical, physical and antimicrobial properties of essential oils of leptospermum scoparium and kunzea ericoides. Phytochemistry 50 407-15, 1999) |
5. | マヌカ・オイルの薬理作用の研究は、ニュージーランドを中心とする研究機関でさかんに行われてきました。その結果、マヌカ・オイルは神経伝達の受容体(リセプター)に著しい影響を及ぼすことがわかってきました。このことから、なぜマヌカ・オイルが気持ちをリラックスさせる作用があるのかの理由がだんだん解明されてきています。
(出展文献:Lis-Balchin, M,. Hart, S. An investigation of the actions of the essential oils of Manuka and Kanuka on guinea-pig smooth muscle. J. Pharm. Parmacol. 50 809-811, 1998) |
6. | マヌカ・オイルは、にきび(出展文献:Basset, I., et al,. A comparative study of tea-tree oil vrs. benzoylperoxide in the treatment of acne. Med. J. Austral. 153 455-458, 1990)、水虫(出展文献:Tong, M., et al. Tea-tree oil in the treatment of tinea pedis. Austra. J. Derm. 33 145-9, 1992)、足のつめからの感染(出展文献:Buck, D. et at., comparison of two topical prepatations for the treatment of onychomycosis. J. Garm. Pract. 38 601-5, 1994)、鵞口瘡(子供の口、のどなどの炎症)(出展文献:Jandourek, A., et al., Efficacy of melaleuca oral solution for the treatment pf fluconazole oral candidiasis in AID's patients. AIDS 12 1033-7 1998)などにも効果的であることが報告されています。 |